贈与税

2010年01月27日

 新年早々家の新築計画が勃発したため目まぐるしい忙しさが続きましたが、各ハウスメーカーからの提案が一段落し、だいたいの予算額と間取りが固まったので久しぶりの更新です。

 標題に関しては何を今更感が強いのですが、税理士としての立場だけでなく祖父が地方で村会議員をやっていたので政治家特有の問題について考察してみたいと思います。

 以前鳩山氏兄弟について税務的には明らかな贈与である旨を述べ、結果ご兄弟それぞれが5億円(生涯賃金ですらこの額を超えるのは至難の業ですのでただただ凄いの一言です)前後の贈与税を支払って幕引きとなりました。

 今回の小沢氏に関しても企業裏献金という政治家のモラルの問題以外に相続税逃れのための贈与税について問題点が生じてきます。

 そもそも贈与税の対象となる贈与とは何か?について、現在の非課税枠110万円について認識をされておられる方は多いのですが、この贈与という行為について誤解をされている方々が多いのが実情です。

 贈与とは、贈与者(物等をあげる人)が、受贈者(物等をもらう人)とが互いの行為を認識する一種の契約行為が大前提です。間違った認識をされている方の多くが、お子さんや親御さん名義で貯蓄をされていると思いますが、契約である以上は、「物等をあげました」「物等をもらいました」と双方が合意しなければ贈与にはなりません。

 鳩山兄弟が何故今になって半分の贈与税を支払うこととなったのか?についてですが、問題が発覚した段階ではじめて「贈与」があったものと双方認識をしたので、通常であれば時効を過ぎていたであろう部分についても贈与税が発生したような気がします。

 初めから脱税行為の一環として贈与を認識していた場合には、時効対象分については遡って課税の対象となることはありませんが、違法行為による重加算税、延滞税などの発生により、時効分で減った部分を遙かに超える納税総額が発生する可能性があります。そもそも金額が金額なだけに刑事罰の対象にもなりかねません。

 落し所について私には伺い知る術はありませんが、10億のうち5億円の贈与税を支払ってでも鳩山ご兄弟には十分メリットのある落し所であったのではないでしょうか。


 さて、話は戻って小沢氏についてですが、報道各社の情報を見るにつけ、スタンスが二転三転し、本日現在では、小沢氏個人の貯蓄を親族の名義預金とし、それを土地の購入原資に充てたというような報道がなかれています。

 名義預金・・・・

 計画的に相続税を圧縮節税する目的で資産移転を行なうケースは私もご提案させて頂きますが、名義預金となると話は別です。相続税を脱税する目的で、先ほど説明した贈与契約(双方の合意)がなされないまま資産移転を行なう場合に行なわれる典型的な手法です。

 モラルの問題はありますが、政治家の資産公開の対象外にする目的で名義預金を行なったのではないか?という論評については、ご自分の資産という認識があり、かつ、名義者に管理処分権が一切無いのであれば、たとえ名義がどなたであろうと問題はありません。

 架空請求などで問題となった口座売買はいまや刑法犯の対象ですし、たとえ親族であろうと名義預金の使用及び活用はどうなんでしょうか?

 ことわざでも戸外に出たら7人の敵がいると思えと言われます。

 こと政治家という職業に関していえば、聖人君主然と慎ましく生きていても必ず足を引っ張られたりする仕事の最たるものの一つだと思います。

 常套句の一つとして秘書が勝手に行なったことという逃げ口上が当たり前のように通用してしまう世界でもありますが、献金を貰っていたのなら貰っていた、資産隠しを行なっていたのであれば行なっていたと、洗いざらい明らかにして出直選挙に打って出れば今のように大きな問題とはならなかったのではないでしょうか。

 罪を憎んで人を憎まずというように、日本人の良いところとして、誠心誠意反省をし悔い改めた人に対して虐めるのは好まれません。却って、理のある方がいつのまにやら悪者にまでなってしまいます。

 下町の一税理士に過ぎない私には事情や真意について知るすべは全くありませんが、小沢氏は良くも悪くも後生に名を残す政治家であると私個人は思いますので、疑惑とされているものについてはすべて明らかにして頂ける良いと思うのでした。

pet73 at 19:06コメント(0)トラックバック(0)  この記事をクリップ!

2009年12月22日

12月18日の政府税制調査会において、住宅購入時の取得資金にかかる贈与について現行の500万円から1500万円に拡大する方向で合意したようです。

実際に上記の規定が施行された場合には、本来認められている110万円の非課税枠と1500万円の特別控除枠の合計1610万円に対して贈与税が一切かからず、更に1500万円部分については3年内に贈与者が死亡した場合にも相続税の課税対象とはならない模様です。

これは、取扱等はそのままに本年の500万円控除枠がそのまま1500万円まで拡大されたものと考えてよさそうです。500万円控除と同様であれば、贈与者の対象は直系尊属である父母及び祖父母(父母の父母)で、受贈者の対象者は贈与を受けた年の1月1日において20才以上であり、かつ、日本国内に住所等を有していた者とされています。

そうなると、夫婦で住宅を取得する場合、それぞれの父母及び祖父母から1610万円ずつ贈与を受けられるのであれば、3220万円まで贈与税は掛りません(それぞれの持分登記は必要)。

ここで気になるのが従来の制度が延長されるのか否かについてです。

相続時精算課税制度が施行された際には、2500万円の精算課税制度をいったん選択すると、その選択年以後については110万円の非課税枠を利用することはできず、たとえ1円であっても原則論から言うと2500万円の計算に組み入れて、超える部分については、毎年20%の贈与税を納めることとなります。

更に、相続発生時においては相続財産の課税対象に組み入れることとなりますので、税金が全く無くなるということではありません。

住宅取得資金のための精算課税制度利用の際の1000万円加算特例(合計3500万円)についても、その時点においては税金を納めることが無くなるかもしれませんが、将来的には相続財産に組み入れる必要があります。

上記との大きな違いとして、500万円非課税規定(本年12月31日付で廃止予定)とこれから施行されるであろう1500万円非課税規定については、そもそも単年で完結しますので今後相続税が発生するような事もありません。

単年だけで考えれば、精算課税制度との併用で4千万円まで税金を納める必要がなかったものが、5千万円まで必要ないのか、それとも1千万円の加算特例は本年12月31付で廃止となるのか、詳細が決まるまでなんとも言えません。

年明けにかけてはっきり整備されるのでしょうが、精算課税制度を選択するのか良いのか、税金が発生しても1500万円の非課税規定のみを受けた方が良いのか、金額が金額だけに相談を頂いた際には当事務所でも緻密なスケジュールに則った資産移転スキームが必要となりそうです。

今ある税法は未来永劫続くことが決して無く、今年500万円控除を受けた人や、3500万円の精算課税制度を既に選択された人がいるように、資産移転に関するコンサルティングだけをされている事務所では、クライアントの意思確認とリスク管理を徹底していないと、税法が改正されるたびに賠償リスクにさらされる危険が高まります。

当事務所でも来年事務所の移転及び新築を計画しているため、本日のエントリーは自分のことを踏まえて入念な資金計画が必要であると改めて気付かされました。

参考
・贈与税の110万円非課税規定(本法)
 本法改正が必要なため、当面無くなることはないと考えられる
・相続時精算課税制度(本法)
 本法改正が必要なため、当面無くなることはないと考えられる
・精算課税制度における住宅取得資金の1,000万円加算特例(本年12月31日までの時限立法)
 延長されない限り自動的に廃案
・直系尊属から受ける住宅取得資金500万円の非課税規定(本年12月31日までの時限立法)
 延長されない限り自動的に廃案
・直系尊属から受ける住宅取得資金1500万円の非課税規定(未定)
 時限立法として年明け1月の通常国会で成立を目指し、平成23年は1000万円に減額される旨を併記予定

pet73 at 00:54コメント(0)トラックバック(0)  この記事をクリップ!

2009年12月02日

鳩山総理の故人献金疑惑に始まり、母から子への資金提供など、問題がどんどん大きくなっています。

何故今まで分からなかったのかについてですが、政治団体及び政治資金という一般の方には不明朗な会計処理が原因として考えられます。

個人が高額な贈与を受けるケースとしては、家や車などの購入資金を親族から提供される場合が最も多いと思います。

不動産登記など、出を調べることが出来れば、入について調べます。

人から人へ、お金や物が動くときには基本的に何らかの税金が発生しますので、当局で把握の出来ない購入原資であれば後日お尋ねの手紙がやってくるか、若しくは調査が入ります。

借入金もなく、過去の個人資産推移を追っていき、当該個人にとってこれまでの収入や預金状況に見合わない物を購入していれば、脱税により不正蓄財を行ってきたか、親族等から援助を受けたかのいずれかしか考えられません。

政治に関していえば、歳費が多いのではないかという批判もありますが、選挙にはやはりお金が掛ります。
また、政治活動や選挙についてどのようにお金が使われたのか当局でも把握がしきれていないのが現状ではないでしょうか。

出が全く分かっていなければ、入の部分で不自然な部分があったとしても、今回のように公になる機会はまずありません。

固有名詞を挙げるのは差し控えますが、世襲議員は地盤、看板、鞄の3バンを引き継ぐことが出来るため、ぽっと出の立候補者よりも断然有利とされており、今回の贈与税の問題、そして政治団体承継による相続税の問題と、一般の人と比較をすれば脱税ではないかとさえ思えます。

日々の運転資金に困っている中小企業の社長さんとお話をさせて頂いていると憤りばかりを感じます。

たばこや消費税の増税論が出てきていますが、宗教法人、学校法人などの公益法人改革をまず行い、中小企業との乖離が甚だしい公務員給与の見直し、パチンコなどの風営法対象業種に対する課税強化又は廃止など、取りやすいところから取るのではなく、税制の抜本的な改革を行ってから、増税論議に移って欲しいと願います。

pet73 at 22:19コメント(0)トラックバック(0)  この記事をクリップ!
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