確定
2009年09月21日
大多数の方は確定申告と無縁となる日用品の売買がメインだと思いますが、オークション取引が頻繁な方は要注意です。
アフィリエイト収入と同じく、オークションをお小遣い稼ぎ程度と安易に考えず、所得があれば必ず確定申告を行うようにしましょう。
オークション収入と確定申告
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オークション収入と確定申告
一般の人が中古品の売買をしたいと思っても、以前であればフリーマーケット、地域のリサイクルを利用するか、中古品を取り扱う専門の事業者を介した取引だけしか手段はありませんでした。それが、アフィリエイトでの収入と同様に、インターネットの普及に伴い個人利用のオークション売買がごく身近なものとなりました。
前置きはほどほどに、普段確定申告をしないような方々(学生、主婦、サラリーマン)にとって、オークション売買で収入を得た場合の確定申告についての説明をします。
オークション収入
アフィリエイト収入と同様に、個人売買オークションで収入を得ているにも関わらず、無申告となっている方々に対しての調査対象事案が年々増えています。
譲渡収入で判断が難しいのは、通常生活に必要とされる動産(実際に利用していたもの)であれば、どんなに利益を得たとしても所得税では非課税とされる点があります。
自家用車の譲渡も非課税とされていますが、極端な例として次のようなケース(購入当時は大衆車であったものが今やビンデージカーとして高額取引されるもの)を譲渡した場合には、税務当局と見解が分かれる部分となるでしょう。
何故ならば、購入当時は大衆車として利用するために購入をし、譲渡の時に、たまたま、ビンデージカーの評価を受けて高額な売却収入を得た場合については、当税理士事務所では実情確認を経てから非課税の対象資産として申告は行わないことになろうかと思います。
方や、名目的に自家用車として購入をした場合であっても、購入前からビンテージカーとしての評価を受けており、自家用というより、コレクション名目で購入されていた場合には、同じ譲渡であっても実情確認を経て申告の対象になろうかと思います。
上記は一例ですが、譲渡の所得については、?どのような経緯で取得した資産なのか、?譲渡資産はどのような種類のものか、?譲渡資産の取得費から譲渡日まではどれくらいの日数を経ているのか、?譲渡の相手先はどのような相手なのか・・・というように、私ども税務のプロに於いても奥が深く、判断の大変難しい所得です。
ここでは、難しい事例には一切触れず、収入を得ることを目的に頻繁にオークション売買を行っている方(セドリ、転売を目的としている方)についても対象外として説明をさせて頂きます。
ボーダーラインとしては、他に何ら収入の無い方であればオークションの売却代金が88万円超となる方、他に収入のある方は売却代金が50万円超であれば、所得税法における確定申告の対象者となる可能性が非常に高いと言えます。
資産の売却は、人によって減価償却適用後にどれだけ原価が下がったのかをそれぞれ計算しなければ実際の利益が確定できませんので、50万円を超える収入があれば申告対象者と考えて確定申告相談を行って頂くのが最良かと思います。
一般的には不要品の処分だけで50万円以上の収入を得られることは考え難いことですので、申告をされる必要はまず無いのですが、逆に考えれば年間50万円以上の収入がある方々というのは非常に目立ちますので、ご自分だけが黙ってさえいれば分からないだろう・・・というのは安直な考えです。
所得税の確定申告
次に確定申告をされる際の実務面について説明します。
オークションでの売買は何所得となるのか?
オークション収入は、古物商免許を取得し、事業所得に該当する中古品売買を主たる生業とされている方以外であれば、金額の大小に関わらず所得税では譲渡所得に区分されます。副業だから雑所得ということにもなりません。
所得税法では、所得の種類を10区分に分け、それぞれ独自の計算方法を行います。その中の区分の一つとして譲渡所得があり、物の譲渡があれば大原則として譲渡所得の区分で課税されることになります。事業所得に該当するような方がむしろ希であり、例えば、個人事業を営んでいる方が事業用資産を売買したとしても譲渡所得に該当します。
アフィリエイト収入でもご説明をしましたが、このように税法の判断はとても難しいものなので、所得の区分や申告にあたっては、必ず税理士など詳しい人の意見を聞くようにして下さい。
事業所得での確定申告
該当するような方は希ですが、譲渡所得との比較のため、ご自分が事業所得に該当するのか否かについて、次の基準を目安に判断をして下さい。
- 最寄りの公安委員会より、古物取扱業の一つ「古物競りあっせん業者」としての認定を受けているのか?
- 売買をする物品については棚卸資産として取扱い、自己の利用は一切行っていないか?(事業所得に該当する方でも、自己資産の売買は譲渡所得に該当)
- 売買行為は、反復・継続的に行っているか?
- 所轄の税務署に対して開業届を行っているか?
上記に該当する方は、事業所得として毎年確定申告を行って下さい。譲渡所得として申告をされるよりも、青色申告制度などの適用によって税金計算において優遇されることがあります。
譲渡所得での確定申告(総合短期又は総合長期に該当するもののみ)
所得の種類としては、大半の方が譲渡所得に該当すると先ほど説明しました。では、譲渡所得ならばどのように確定申告をすれば良いのかについて説明をします。土地や建物など、分離課税の対象となるものについては、この項目では初めから対象外とさせて頂きます。
収入は基本的には入金を受けた金額の全額となります。送料を含めて入金される場合の例外に、?送料分は預り金又は立替金とし管理区分がされており、?預かった又は立替えた金額と同額の送料が発生している場合には、預り金又は立替金を差引いた金額を収入とすることができます。1円でも差額が発生するような場合には実費負担とは異なりますので、入金額のすべてを収入として申告して下さい。
収入が決まれば、今度は譲渡原価と譲渡経費の計算を行います。
譲渡原価は、売却する資産の取得価額から減価償却費相当分を控除した金額となります。所得税法では、事業用・家事用の違いなく強制的に減価償却を行いますので、減価する資産の場合には取得価額=譲渡原価となるようなことは通常あり得ません。(書画、骨董、貴金属などの減価が生じないものは除きます)
減価償却費の計算は、対象資産ごとに減価償却率が定められていますので、まずは対象資産ごとの減価償却率を決定し、次に家事用資産に対する減価償却計算の特例を適用して減価償却費の計算を行います。
大多数の方は、保有期間の証明が出来ない限り償却年数を超えているような資産とみなされますので、ここでは個別の減価償却の計算方法については割愛をさせて頂きます。
次に譲渡経費の計算となりますが、入金額の全額を売却収入とされる方については?送料?落札手数料?梱包費用の3つが譲渡経費に該当すると思います。送料の預り又は立替処理を行っている方は?と?が譲渡経費に該当するでしょう。
その他経費として認めてもらうために重要なことは、誰から見ても明らかに直接オークション収入を得るためだけに使った費用となるかどうかです。
一通りの計算が終わったら次に売却資産を保有年数ごとに分類します。分類は資産の取得日から譲渡日までの日数が、?保有期間5年超のもの?保有期間5年以下となるものとに分類します。取得時期の客観的証明が出来ないものについては、必ず?保有期間5年以下として下さい。これは、税金計算において優遇されているものは、必ず証明責任が申告者側に課せられているためです。
上記での分類について、?保有期間5年以下のものから順に、譲渡所得の特別控除50万円を差引、残った正味利益に対して?5年超のものだけ1/2を乗じて、?と?の正味利益をそれぞれ合計します。それ以降については給与や事業と同じ所得税計算を行います。
住民税の確定申告
今まで所得税法における確定申告について説明しましたが、ここでは住民税の確定申告について説明します。
雑所得となるアフィリエイト収入の時とは違い、譲渡所得に対しては例外なく所得税の確定申告を行いますので、自動的に住民税の確定申告も行なわれます。
消費税の確定申告
一般の方には一切関係がないのですが、事業を行っている方に注意をして頂きたいのが消費税の論点になります。
消費税の条文には、当たり前のことのようですが、納税義務者には消費税を納める義務があると記載がされています。ここでいう納税義務者とは、事業を行う個人、法人のことを指しますので、個人事業者は消費税の納税義務があることが分かります。
しかしながら、消費税の免除規定において、個人事業主であれば、課税期間の前々年の課税売上高が1千万円を超えない場合において免除する旨が記載されています。
この課税売上高が個人事業主の場合には問題です。
非課税規定の対象となるもの以外の事業収入はすべて課税売上高(免税事業者の場合には税込売上)となりますので、事業所得の売上や雑収入が課税売上高となることは容易に分かります。
ここで問題になってくるのが、事業で使っていた資産を売却した場合の所得区分が譲渡所得であることです。納税義務判定や、消費税計算に使う課税売上高には、譲渡所得の中に含まれる事業用資産の譲渡も含めて、納税義務判定、消費税計算を行う必要があるのです。
残念なことですが、私ども税理士の中にもこの論点を見過ごしてしまう税理士がいるくらい、間違い易い論点ですので、あとで過少申告加算税を取れられることがないように、譲渡=大変難しい税務論点であることを認識して頂けると幸いです。
金額の大小に関わらず少しでも疑問に思われる事案が発生したら、遠慮無く細谷智康税理士事務所までご相談下さい。