ペーパーレス
2009年09月16日
事業が進めていくにつれて、だんだんと書類整理に頭を悩まされた事はないでしょうか?
何でも手元に置いておくのが一番便利なのは言うまでもありませんが、管理する書類が増えてくると手元主義だけではどうにもなりません。
まだ遅くはありませんので、ゆくゆく自分が楽になるために必要なスキルとなりますので参考になれば幸いです。
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書類の整理術
書類の整理術
創業当初においては、業務(特に裏方)の流れが統一されていないため、多くの資料が手元に氾濫したままというのはよくあることです。
いつか綺麗に整理をしたいけど、さしあたって優先事項ではない。結果として、そのままの状態で今に至っているという方が多いと思います。
そこで税務上の保存書類や管理方法を中心に、当税理士事務所において実践している書類の整理術をまとめてみましたので、一般書類へ適時応用についてお役に立てれば幸いです。
書類整理の実践方法
Step1 手元書類とそれ以外とを分類
日常的には使わなくても、利用頻度が高ければつい手元へ置きたくなるものです。当税理士事務所でも職制柄、各種税法に関する資料や条文集がすぐに見られるよう、当税理士事務所開設当初は可能な限り手元に置いていました。
1人だけしか利用をしないのであれば、手元にある状態=一番便利なのは言うまでもありませんが、あれもこれもとだんだん手元に置く量が増えてきたり、他の人も利用するような書類を1人で抱え込んでしまってからはじめて、今まで書類整理をしてこなったことについて後悔をします。量がそれなりに増えてしまうと、分類作業を行うのも非常に面倒です。
そこで思い切って、以下を基準に書類を分類します。
- 1人利用、かつ、必ず手元に置いて置かなければならない書類
- 上記以外=手元に置かなくても良い書類
2日以上連続で使用することが無ければ、それは手元に置かなくても良い書類です。思い切って分類するようにしましょう。
経理担当者のケースでは、税務上の観点から、いつでも精算・記帳が出来るように以下の書類だけは必ず手元に置いておきます。
- 進行期(又は当月分)の領収書ファイル
- 進行期(又は当月分)の請求書ファイル(出し)
- 進行期(又は当月分)請求書ファイル(受け)
領収書や請求書等は、月単位の封筒の中にまとめているのが良い方で、酷いケースは段ボールの中に種類の異なる書類が一緒に埋もれている状態もあります。
得意先へ対する売掛金の入金漏れや、仕入先に対する買掛金の支払漏れは、仕事の上で信用に関わりますし、また、請求書・領収書を紛失すれば客観的な根拠資料が欠けているとして、税務調査において、経費と認めないばかりか、法令上は使途不明金や使途秘匿金※とされる可能性もありますので注意が必要です。
※使途不明金
金銭の支出でその用途が明らかでないものを言い、経費とはなりません。例えば、消耗品とだけ帳簿に記帳がされていて、何を買ったものなのかが分からない場合でも使途不明金となり得ます。領収書を保存するとともに、念のため帳簿には消耗品(○○購入費)と記帳しておくようにしましょう。
※使途秘匿金
金銭その他これらに類するものの支出で、その用途が明らかでないものを言い、こちらは経費とならないばかりか、その額に対して40%の法人税が課されてしまいます。住民税負担を考えると、使途秘匿金とされた金額と同額の税金負担です。
不明金と秘匿金との違いは、支出に対して相当の理由がなく、その相手方の氏名等が帳簿に記載されていないこととされていますので、帳簿にその詳細を記載しておくのはとても重要です。
Step2 書類は、大分類、中分類、小分類で分けるようにする
税務おける帳簿等の保存要件を例に挙げると、総勘定元帳、領収書、請求書、納品書、契約書、各種伝票・台帳、申告書控、税務上の届出書控といったところでしょうか。
大分類で言うと、第○○期分申告書資料として上記の書類一式をまとめるのもありですし、中分類で言えば、総勘定元帳、領収書等の各種保存資料、小分類で言えば、領収書の中でも水道光熱費に関するもの、請求書の中でも○○興業に対するものというように、会社ごとの実情に合せて分類することが出来ます。
分類の際に特に注意する点としては、会社の取引全体からみて、どれだけの取引量があるのか、どれだけ重要なのかを基準として分類することです。
取引先に対して、毎回過去の請求書を見直して見積書や請求書を出す必要があれば、第○○期申告書資料一式としてまとめるよりも、大分類(取引先○○)、中分類(○○年度分)、小分類(商品○○)と分けた方がより効果的です。
取引規模が小さくまとめやすいうちは、上記の大分類(取引先○○)というのも、第○○期分申告書資料の中に含めて保管することも十分考えられます。
ここでのポイントは、規模の小さい創業当初ほど、より細かな分類をしておけば、いざ規模が大きくなったとしても再分類がとても容易になる点を覚えおいて下さい。
いけいけドンドンの高度成長期とは違い、今は限られた資産・資源の取捨択一をして、いかにより効率的な経営を行うかが求められる時代です。
お客様の方でより細かな分類をして頂けると、当税理士事務所で提供させて頂く経営改善や事業計画もより精度の高いものが作成出来、尚かつ、あまり時間を掛けることなく提供させて頂くことが可能となります。
Step3 社内ペーパーレス化も、書類の整理が出来てこそ効果大
当税理士事務所の所長がOA機器メーカーのリコーに入社当初は、基幹OSがWindow3.1から95へと変わり、OA機器もコピー&ファックスが主流の時代から、プリンター及びスキャナーまで含んだものが少しずつ主流となるちょうどその転換時期。
当時、電子ファイルシステムを導入しているところは、導入コストが百万単位でしたので、官公庁や設計会社、工作部品製造業などのごく一部、膨大な紙ベースの保存資料を抱えているところに限られていました。
今は、複合機も安価となり、富士通ScanSnapのようなA4サイズに特化した高速スキャナー専用機も市場で認知されています。当税理士事務所にも複合機はありますが、管理書類が膨大なこともあり書類の電子化にはScanSnapを利用しています。膨大な書類を取り込む利点は、オフィスのペーパーレス化で事務所有効スペースの活用と、管理文書の共有化とインデックス化、それに伴う作業効率の向上が図れます。
普段なかなか見ない資料は、電子化で保存されることをお勧め致します。
Step4 電子化書類の整理術
書類の電子化に利点があることは皆さん分かって頂けるのですが、実際にどうやって電子化をしていけば良いのか?という点で皆さん躓きます。
答えとしては非常に簡単で、先ほどStep2の項目で説明した小分類にまとめた資料ごとに順次スキャナーで読み込んでいけば解決です。大分類というフォルダの中に中分類フォルダが、中分類フォルダの中に小分類フォルダが、小分類フォルダの中に各種電子ファイルという具合です。
書類整理を容易にするための電子化であるのに、紙ベースでの書類整理から始めるのは変ではないか?とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
ここで税務上の要件が関わってきます。
届出を出すことで一部の書類については電子書類での保存を認めていますが、税務上の書類は原則として元本保存です。会社での重要書類についても、再加工性の余地が残る電子データには信憑性がありません。重要なのは、今も昔も紙ベースです。
しかし、いったん電子化をしてしまえば、後々の検索効率は飛躍的に上がります。○年○月○日の○○という書類を探し出すのも、インデックスさえしっかりしていれば、書類の元本自体は、山積みになった段ボールの中ですら容易に見つけることが可能となります。
人海戦術は一見コストが一番掛らないように見えますが、無駄な残業代が発生したり、疲れを残すことでその後の作業効率が落ちてしまったりと、物ごとを大局的に見ると不効率です。
私ども税理士への期待は、税金の無駄を削ぎ落とす節税ばかりに目がいきますが、広告宣伝費を過大投入して売上が増やしても利益が減ってしまったり、事業計画を策定しても実行性の乏しいものだったり、資金繰りに行き詰まってから初めて資金調達を検討したりと、1人何役もこなさなければならない中小企業において作業効率まで考えるのはとても難しいことと存じます。
税金問題だけにとどまらず、なんなりと葛飾区の税理士 細谷智康税理士事務所へご相談頂ければと存じます。