2009年08月21日
事業を始めるには、運転資金はどれだけ用意した良いのか?
事業を始めるには、運転資金はどれだけ用意したら良い?
本店の事務所サイトに掲載済の過去記事です。
これから事業を始めようとする方の中には、初めから損をしようと思って事業を始める方はいません。至極当たり前の事ですが、事業を始められる方す べての方が成功出来るわけではありませんので、事業が軌道に乗るまでの損を吸収できる運転資金をあらかじめ用意しておく必要があります。
店舗費用の見積り
店舗を借りるのであれば、まず、敷金、保証金、月家賃、改装費用、漆器備品の購入費用が必要です。この中で、敷金、保証金については税金計算上の損とならないものが多く、改装費用や漆器備品費用については、減価償却の対象として何年かに分けて税金計算上の損となります。
人件費の見積り
従業員を雇われるのであれば毎月の給与、ついつい疎かになりがちですが事業主の毎月の生活費用も用意しておかなければなりません。
仕入費用の見積り
人的役務サービス以外を生業とされるのであれば、物の仕入コストが発生します。この仕入コストについて、常時在庫を保有し続けなければならない業種であれば、店頭在庫を確保している費用はいつまでたっても回収できません。
その他費用の見積り
事業の中には、同業者団体への加入が必要な場合や登録免許が必要な場合があります。また、団体加入や登録免許については、毎年その地位を維持継続 するだけでも費用が発生するものもあります。それ以外にも、パソコンなど初期の設備費用や、消耗品費用、水道光熱費、通信費などが発生します。
運転資金シミュレーション
あくまで極論のケースとして、以下に小売業Aさんをモデルケースとして挙げてみます。
店舗費用の計算
月家賃15万円 敷金(保証金)は月家賃の6ヶ月分で90万円 店舗内装費用として100万円が掛りました。(今後毎月掛る費用は家賃の15万円)
人件費用の計算
当面事業主だけで切り盛りを考え、自分の生活費用として最低月20万円は必要と考えました。(生活費用として20万円)
その他の費用の計算
団体加入金等は発生しませんが、水道光熱費などの毎月掛る費用は、同業者の話を聞くと月5万円は掛るそうです(今後毎月掛る費用は5万円)
仕入費用の計算
Aさんは、毎月発生する家賃、生活費、その他費用だけでも40万円の利益を確保していかなければなりません。取扱い商品は、売価100円に対して70円の原価で仕入れており、月の最低利益を確保するための月商最低ラインは約130万円です。
毎月130万円の売上を得るために仕入れる金額は約91万円ですが、小売店の場合には右から左に次々と商品が流れるわけではありませんので、常備 在庫を確保していかなければなりません。平均的な例でいえば、最低でも売価ベースで月商の半分は在庫を常備しているのが普通です。これを原価でいえば、約 45万円の在庫は常に確保しておかなければなりません。
実際に試算をしてみる
Aさんの店舗及び取り扱う商品が地域に浸透するまで3ヶ月かかった場合には、運転資金は幾ら必要だったのでしょうか?便宜的に、3ヶ月間は一切売上が無く、仕入れた商品にも棄損等は一切無かったものとして試算をしてみます。
店舗費用 家賃15万円×3ヶ月+敷金90万円+改装費100万円=235万円
人件費用 生活費20万円×3ヶ月=60万円
その他費用 5万円×3ヶ月=15万円
仕入費用 45万円
合計費用 355万円
上記の例は極端なケースですが、商売をされるには知名度や信用度がどうしても付いて回ります。事業に、たら、れば、という考えは厳禁です。地域への認知度が徐々に浸透し、利益が少しずつあがっていき、月の収支がプラスに転じるまで十分に耐えられるだけの運転資金をあらかじめ確保しておくのはとても重要です。
上記の中では、店舗改装費用、仕入費用は金融機関からの融資が比較的受けやすく、人件費を含めたケースでも、きちんとした事業計画書を立案すれば市区町村の創業支援融資を受ける事も可能です。
より厳密に行おうとすれば市場調査に基づく潜在顧客や商品企画案も事業計画には必要ですが、中小企業に於いては上記の運転資金シミュレーションも立派な事業計画の一つです。
難しいイメージをお持ちになられていたかもしれませんが、事業計画は難しいものではありません。これから創業をお考えの方は、事業計画の段階から早期に当税理士事務所へご相談を頂ければと存じます。