2010年07月03日

消費税10%は何が問題か?

国庫の財政健全化を旗印に、自民党はもとより民主党でも消費税10%の導入が議論されているようです。

平成元年に旧物品税に変わる形で消費税3%が導入されて以降、消費者の大半を占める給与所得者の平均給与が下降の一途を辿っているのにも関わらず更に増税となると呆れて物が言えません。

一定の所得以下となる世帯を対象に消費税の全額還付を行う案も挙っていますが、子供手当ての例で明らかなように、還付するための事務コスト増を全く考えていないとしか思えません。

仮で世帯年収200万円未満には全額還付という話も出ていますが、200万円を境に得をする人、しない人が出てくるのでは課税の公平という大原則に違反します。更に生活保護受給世帯については、保護費が世帯収入に加味されるかされないのかでも話は変わってきます。

上手く嘘を付けばお金がもらえる・・・このようなケースでは還付金詐欺の問題が必ず出てきます。

先日の新聞紙上で見た記事では、中国籍の老姉妹2名が来日後に即帰化をし生活保護の受給、さらに老姉妹の介護名目で中国籍の親族の方30名超に対しても生活保護の受給開始決定というのがありました。

例えとして悪いかもしれませんが、まさかそんな事はしないだろうという性善説に則ってみても制度を悪用する人というのは少なからず発生します。

そもそも納税者番号制度を導入すれば管理が容易になるような言われ方をしていますが、類似の社会保障番号制度を導入しているアメリカにおいては、年末調整制度というものがなくサラリーマンであっても必ず確定申告をしなければなりません。

我々税理士から見れば、単価は低くとも仕事が増えるよいチャンスのように思えなくもないですが、無意味な仕事はいりません。

現場レベルでは、毎年確定申告時期になると無料相談を行い、主に年金受給者や年末調整を行えなかった給与所得者の方々に対して、無料で申告書の作成相談を行っています。ボランティアで行っている以上、相談に乗れる人数にも制限があり、今後年金受給者が増えることはあっても減ることはない現況を考えれば、上記の消費税還付者に対して更にカバーは出来ません。

税務署の方を持つわけではないのですが、所轄税務署の予算は年々縮減されて、署員の人数は減っているそうです。

税理士が行う無料相談会であぶれてしまった人は、最寄りの税務署へ行って頂くように案内をしていますが、上記のような状況では税務署も対応出来ないのではないでしょうか。

タバコやお酒は、特定税が課された上に消費税が課されています。税金の上に税金を課すものというものは少なくありません。であるならば、特定種目を絞って旧物品税のようなものを復活させた方が管理コストからいっても現実的ではないでしょうか。

今回の消費税増税論議は、明らかに大企業の法人税減税を担保するためのまやかしのようにしか思えません。

当事務所のお客様である中小企業では、消費税増税分が大企業に卸す際に価格転嫁が出来るのか?著名な自動車会社を例に考えれば、これまでも転嫁が出来ず下請けが値引きという形で大半を被っているそうです。肝心の著名な自動車会社では、仕入たコストに対する消費税が輸出免税の特例により還付され、実質的に下請けに支払った金額より更に安い調達コストにより、空前の利益が計上されるとう仕組みです。

販売価格に消費税を預かっているわけではないので消費税の還付を受けることが悪いわけではありません。

消費税の増税がなされれば、下請け企業においては増税分のコスト削減要求が上から間違い無くなされ、泣くのはいつも中小零細企業という立場に義憤を感じるということです。

【例】
200円の(下請けでは売上、元請けでは売上)に対して現行では10円の消費税が掛ります。
これが10%になれば20円の消費税が掛りコスト合計は220円です。
ただし、元請け側では従来通り210円の納入を要求するとします。
元請け側ではこれまで税抜き200円で仕入れてきたものが、結果191円で仕入れることが出来るようになります。
差額9円は誰が負担するのかといえば、当然下請け側です。


大企業に顔を向けるのも良いですが、中小企業に目を向けてくれることを今後の政権与党に期待?というか希望です。

pet73 at 21:21コメント(0)トラックバック(0)税金  この記事をクリップ!

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